2015/06/21

サイクリストと地域つなぐ。くつろぎの場、魅力に。つくば市

【14-1】 (茨城新聞社、文と写真・戸島大樹記者)  引用編集
 「自転車を楽しむ女性も増やしていきたい」と話す有野真由美さん(左)。2013


 「西の富士、東の筑波」と称され、朝夕に山肌が色を変えることから「紫峰(しほう)」とも呼ばれる筑波山。
その名峰を間近に仰ぐ茨城県つくば市の北条地区に、サイクリストのサポートステーション「ピットストップつくば北条」はある。

 食堂を改装した建物のすぐ脇を走るのは、全長40・1キロの自転車専用道「つくばりんりんロード」。
旧筑波鉄道(1987年廃止)の廃線跡を活用したサイクリングロードは高低差が少なく、全線が舗装整備されている。
休日ともなれば、多くの自転車愛好家が周辺を往来する。

 「肩書は置いておいて、ここは裸で付き合える場所」と話すのは、ピットストップを運営する有野真由美(ありの・まゆみ)さん(53)。
サイクリストが気軽に立ち寄って情報交換し、交流を深めている。

 東日本大震災直後の2011年4月にオープンした。
「自転車のエンジンは"人"。その姿が震災復興のシンボルのように思えた」と有野さんは当時を振り返る。

 店を開けるのは土、日曜日と祝日の午前8時から午後5時まで。
地元の食材をふんだんに使った「田舎ごはん」も提供する。
パンク修理キットなどの自転車用品や工具をそろえ、悪天候時の避難場所、トラブル時の救護も担う。
シャワーもあり、簡易宿泊もできる。


 「ピットは山小屋みたいなもの。
さらに拠点が増えて、ピットをつないで茨城周遊が可能になったらいいな」

 自転車と地域資源を組み合わせたさまざまな企画も打ち出している。
「訪れた人がまた来てくれるように楽しい場所にしよう」。
"山麓仲間"との合言葉が活動を支えている。


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