2009/01/17

観光関係の新語

以下は、「Yahoo!新語探検」よりを抜粋編集したものです。
社会科見学ツアー
団塊世代に向けたバス会社の企画で、国会議事堂や大手企業の工場見学、旧財閥の邸宅などを巡り、有名ホテルの昼食バイキングも含まれていたりする、日帰り が中心のツアー。料金は1万円程度。阪急交通社の日帰りツアーでは国会、最高裁判所、造幣局を回るルートで午前中にJR東京駅を出発してバスで移動、バイ キング形式のホテルでの食事も含まれていて夕方に解散する。はとバスは最高裁と「近代和風住宅」で、安田財閥の流れをくむ故・安田楠男の邸宅を巡る日帰り ツアーを大人7900円で企画している。クラブツーリズムは2008年9月に個人では見学手続きが面倒な防衛省見学ツアーを企画し、省内に移設された極東 国際軍事裁判(東京裁判)の舞台となった市ヶ谷記念館などの見学を行っている。東京駅を出発して静岡県や愛知県でトヨタ自動車やアサヒビールの工場を見学 する1泊2日のツアー(2万9800円)も売れ行きが好調である。
ニューツーリズム
従来の物見遊山的観光旅行に対して、テーマ性を強く打ち出し、人や自然とのふれ合いといった体験的要素を取り入れた新しい形の旅行。具体的には、エコツー リズム、グリーンツーリズム、ヘルスツーリズム、ロングステイなどが含まれる。つまり、従来の観光資源や観光施設に頼ることなく、地域の伝統産業や生活文 化をそのまま旅行者に体験してもらったり、一緒に味わったり、見てもらうという形式の観光旅行。地域の自然環境やそれと密接に関連する風俗習慣等の生活文 化を観光だからということで形を変えるのではなく、あるがままに観光する人に見てもらい、環境と経済を持続的に両立させていくことにつなげることが肝要で ある。エコツーリズムにおけるホエールウォッチングのような野生生物の観察ツアー、里山の植林や清掃などのボランティアツアー、そしてグリーンツーリズム の農山漁村において自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型余暇活動など、さまざまなものがある。
産業ツーリズム
歴史的、文化的意味をもつ工場や機械器具など産業文化財を観光資源として、観光客を集めること。こうした産業ツーリズムに欠かせないのが、農業・商業・工 業の3分野の連携。2008年 4月には、農林水産省と経済産業省が農商工連携で地域活性化に取り組む88の事業者を公表している。おもな事例としては埼玉県川越市の「川越芋を活用した ビールの開発」、宮崎県宮崎市の「IT技術を活用した牛の繁殖経営」、富山県富山市の「深海魚を使った栄養補助食品の開発」などで、こうした工場などを観 光客に公開することで、地元の活性化に結びつけたいとしている。
ビジネス観光
企業の報奨旅行や家族連れのビジネス客のための「観光」。企業の会合(Meeting)、報奨・研修旅行(Incentive)、国際会議 (Congress)、国際展示・見本市(Exhibition)の頭文字から、「MICE」ともよぶ。アメリカのラスベガスはカジノの街として知られて いたが、ホテルなどが積極的にショーを開くことによって家族連れの誘致に成功して、MICEの代表格といわれるようになっている。アジア各国、地域も MICEの誘致に乗り出し、フィリピンやシンガポールなどで、テーマパークやカジノなど娯楽施設を併設したホテルや会議場を続々と誕生させている。
オタクツーリズム
アニメや漫画のファンが自分の好きな作品に描かれた街を訪ね歩き、仮想と現実の世界を重ね合わせる行為。ファンたちは「聖地巡礼」とよんでいる。埼玉県鷲 宮町にある鷲宮神社は、埼玉県出身の漫画家・美水(よしみず)かがみがゲーム雑誌に連載している『らき☆すた』の舞台となっており、神社の神主の双子の娘 が登場する。この神社をファンたちは休日にカメラをもって訪れる。目の前の風景と漫画の場面を重ね合わせて写真に撮るのである。この「巡礼」を通じて同好 の仲間とも会うことができる。
着地型旅行
旅行のパック商品で目的地の旅行業者が企画した商品。従来の旅行パック商品は東京にある大手の旅行会社が企画するのがほとんどで、その地方における隠れた 貴重な文化などを見落としてしまうこともあった。また、大量販売を行って安価にしようとするために企画が型にはまりがちということも指摘されている。地元 の旅行会社は、地元で評判の美味しい料理店や地場産業の見学会など多様な企画を立てることができる。政府は2007年に旅行業法の施行規則を改正し、営業 保証金などが少ない第3種旅行業についてパック旅行(地元限定)の取り扱いを解禁している。
企業訪問修学旅行
中学や高校の修学旅行における企業訪問。修学旅行をきっかけとして生徒が将来の参考にしたり、視野を広げることができるようにという意図を学校はもってい る。先生が修学旅行を受け入れてくれる数十社の情報を生徒に提供。各班に分かれた生徒たちが自分たちの興味のある企業を選び、電話で予約を入れる。事前に 質問事項を企業に伝えておいて、現場でその説明を聞くという流れである。修学旅行で企業訪問が増えている背景には、学校側の思惑だけでなく、企業側の積極 的な売り込みもあるという。企業のイメージアップや自社製品のファン獲得、将来の優秀な人材雇用など狙いは様々であるが、修学旅行の行程の一部に自社を選 んでもらえるように学校を訪問して積極的に働きかける企業もあるという。