2011/11/06

モンスーン(季節風)が生んだ輪廻(りんね)思想

モンスーン(季節風)が生んだ輪廻(りんね)思想 

神がいそうな森林

インドの大部分では、
4月から6月までは乾暑季
もっとも過ごしにくい季節です。

この時期には
雨は降らず、内陸部では気温が45度にものぼります。
草は黄色になり、木は落葉します。


木が落葉するのは、
水分が奪われることを最小限に抑えるための植物の知恵です。

クマが冬眠するようなものです。


 沖縄では へちま がごちそうです。
沖縄で へちま を食べたりするのは、
暑すぎて
夏には野菜が充分に取れないから
です。
【※】ナーベーラー(なーべーらー)の味噌煮



4月から6月までの乾暑季には、
植物ばかりでなく、人間も動物もじっと耐え忍びます。


◇                    ◆                    ◇

7月になると、
モンスーン(季節風)が雨をもたらし、
草も木も生き返ります。

モンスーンは7月から10月いっぱいまで続きます。


ヒンドゥー教の輪廻(りんね)思想は、
植物のこの生死のくりかえし
を反映したものです。

〈※  輪廻(りんね)とは、車輪がグルグルと廻り続けることです。〉


インド、東南アジアや日本で、
豊かで奥が深い森林の中のあちこちに
カミ
がいると考えるのは自然のことです。


あちこちに神がいるとの信仰を
アニミズム(animism、精霊信仰)
といいます。


アニミズムは、多神教(polytheism、ポリシイズム)といったほうが西欧には合っています。


インドには3000万以上の神様がいます。



山川草木、悉皆成仏(さんせんそうぼく  しっかいじょうぶつ)は、

山や川、草も木も命があるので大切に
しましょう ということでもあり、

環境の時代を先取りした思想です。

夏のモンスーンの時期   :Britannica Kids