2016/05/22

なぜ欧州の観光客は日本よりタイを選ぶのか:デービッド・アトキンソン

なぜ欧州の観光客は日本よりタイを選ぶのか
アトキンソン氏「距離より深刻な問題がある」


デービッド・アトキンソン :小西美術工藝社社長

2016年05月20日東洋経済、引用編集



「日本を訪れる欧州の観光客は、日本の潜在能力と比べて驚くほど少ない」
たとえば、ドイツからの訪日観光客数は年間約16万人。
それに対し、タイへは年間約72万人のドイツ人が訪れている。
ここには「欧州は遠すぎる」などという理由ではなく、日本の「受け身」の観光戦略が影響しているという。
今後日本が取るべき「攻め」の戦略を、書籍『新・観光立国論』や、その続編『国宝消滅』などで日本の観光政策に関する提言を続けているイギリス人アナリスト、デービッド・アトキンソン氏が解説する。
日本に必要な新しい観光PRとは

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ベストセラー『新・観光立国論』に続く、観光立国の必読書! 国宝をはじめとした文化財が陥っている「窮地」を明らかにするとき、日本経済再生の道が見えてくる。規格外の知的興奮!
日本政府が掲げる「2020年に訪日外国人観光客4000万人」という目標を確実に達成するためには、従来の考え方を変える必要があるということを、全国の講演会などでお話しさせていただいております。

そう聞くと、これまでの観光PR、マーケティングを否定しているような印象を受けるかもしれませんが、そうではありません。
ただ、より戦略的でデータサイエンスに基づいたマーケティングが必要となってくるということを申し上げたいのです。

たとえば、自治体の観光PRを例にあげましょう。
県知事や観光の担当者が中国や韓国を訪れて、地域の魅力を伝えているという話をよく聞きます。
先月も和歌山県の仁坂吉伸知事が、インドネシアと香港を訪問した際に、現地で観光誘致に尽力されたという報道がありました。

これはこれで非常に有効なPRであり、ぜひ他の自治体も力を入れていただきたいと思うのですが、さらに戦略的な視点が必要になってくると思います。



たとえば、自治体の観光PRは、すでにそれなりに観光客がやって来てくれている国に対して行われることが多いのですが、日本へあまり観光客が来ていない国へのPRやマーケティングに力に入れることも考えなくてはいけません。
受け身な考え方から、より攻めの考え方へと転換する時期になっているのです。

先日も、熊野古道の話を聞いて驚きました。
熊野古道の参詣道は2004年に世界遺産に認定されており、伊勢神宮とともに日本を代表する観光スポットです。
しかし、ホームページは、英語・フランス語・中国語・韓国語に対応しているものの、なぜかドイツ語がないのです
ドイツの人口は欧州の先進国の中で最も多いので、本来は対応しなければならないはずです。

「なぜドイツ語に対応しないのですか」と質問したら、「ドイツ人はあまり来ないから」という答えが返ってきました。
ドイツからの観光客が少ないならしょうがないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、案内の言語対応がなされていないから、あまり訪れないと考えることもできます。
そこで思うのは、これまでの日本の観光PRは「受け身」の考え方が強いのではないかということです。

では、「受け身」から「攻め」に発想を切り替えるためにはどうすべきか。そこで重要になってくるのが、データです。

これまでいろいろなところで説明させていただいていますが、「観光立国」に必要不可欠なのは「多様性」です。

特定の国から膨大な観光客が訪れるだけでは、それらの国の景気や情勢に観光産業が左右されてしまい、安定的な成長が望めません。
つまり、できるかぎりさまざまな国から来ていただくという「国籍の多様性」も極めて重要になってくるのです。


「来日潜在市場」に注目せよ!

4000万人という外国人観光客を迎え入れようと考えたとき、まずはこの世界でいったいどのエリアから多くの観光客が送り出されているかを把握する必要があります。

国連の数字によると、2014年の国際観光客は11億3300万人。そのなかで最も割合が高いのは、実は欧州発の観光客で5億7500万人(約51%)、その次にアジアの2億6790万人(約24%)、南北アメリカの1億8920万人(約17%)と続きます。

ここで、これらのすべてが「日本にやってくる可能性のある観光客」ではないことに注意が必要です。
皆さんもそうだと思いますが、観光客はより近い観光地に行く傾向があります。
データによりますと、観光客の約8割は地域内観光、要するに近隣諸国を観光する人々です。

各地域の観光客数と地域内観光をする人の比率がわかりましたので、日本にやってくる可能性のある観光客の総数=「来日潜在市場」が計算できます。
欧州から地域外へ観光するのは、5億7500万人×20%=約1億1500万人、南北アメリカからは2億6790万人×20%=3784万人。
一方、アジアは同じ地域ですので、2億6790万人×80%=2億1432万人。これが、日本の「来日潜在市場」となります。





UNWTO(2014年)、JNTO(2015年)のデータを元に筆者作成。UNWTOの「アジア」はオーストラリアなどを含む

これを構成比で置き換えると、欧州からが29.7%、南北アメリカからで9.8%。そしてアジアからは55.3%となります。
この推計は、米国政府等のデータにある、遠方からの観光客は全体の45%という傾向と一致しています。

これを今の日本の外国人観光客の割合と比較すれば、それぞれのエリアから均等に来ているのか、あるいは偏っているのかということがわかります。

ただ、ここでひとつ問題があります。世界の市場規模はまだ2014年のデータしか出ていません。一方、日本のインバウンドが飛躍的に伸びたのは2015年ですので、2014年の訪日客数を使って比較してもしょうがありません。つまり、アナリストとしては非常に不本意ではあるのですが、2014年の世界市場のデータを、2015年の訪日外国人観光客の分析に用いているのです。

しかし、このような比較をしないことには、急速に成長している日本のインバウンドの実態と、そこに潜む課題が見えてきません。過去の国連データを見ても、1年でそこまで大きな変化は起きないと思いますので、異なる年のデータを分析に用いることをご理解ください。



欧州からの観光客には、巨大な開拓余地がある!

では、国連のデータと日本のインバウンドを比較してみると、どのような事実が浮かび上がるのでしょうか。

結論から先に申し上げると、「欧州からの観光客開拓に極めて大きなチャンスがある」ということが顕著になっています。


(UNWTO(2014年)、JNTO(2015年)のデータを元に筆者作成。UNWTOの「アジア」はオーストラリアなどを含む)

2015年の訪日観光客はアジアが86.5%を占めており、来日潜在市場の構成比である55.3%と比較しても際立って高くなっています。
それは、中国などのアジアからの観光客が多すぎるということなのか、他地域が少なすぎるということですので、潜在能力と比較してみる必要があります。

アジアからの来日潜在市場は2億1432万人なのに対し、実際にはその8.0%の1707万人しか来日していません。これは、まだまだ伸ばしていく余地がある数字です。

ということは、アジアは多すぎではないということなので、他の地域が少なすぎるという結論が導き出されます。
つまり、アジア以外の地域の実績を伸ばしていかなければいけないということです。

アジアの次に多くの人が訪れているのは、南北アメリカからで138万人(7.0%)となっています。
これは来日潜在市場の構成比である9.8%と比較しても、そこそこの実績といえましょう。
これはやはり、北米と日本の長年の関係で、観光客誘致にも力を入れてきた成果だと思われます。

そして、問題が欧州からの観光客です。
世界の国際観光客の50.8%、来日潜在市場の比率でみても29.7%という潜在能力があるにもかかわらず、現実に日本を訪れているのは124万5000人足らずで、全体の約6.3%に過ぎません。これは「欧州は日本から遠く離れている」という距離の問題では片付けられないほどの少なさです。

つまり、今の日本のインバウンドは、アジア、アメリカからの観光客と比較して、欧州からの観光客が際立って少ないという現実があるのです。



ただ、これを悲観的に受け取って欲しくないのです。拙著『新・観光立国論』でも繰り返し述べさせていただきましたが、「観光客が来ていない」ということは、裏を返せばそれだけ大きな「伸びしろ」があるということです。2020年にむけて4000万人の訪日外国人観光客を獲得しようとしていくなかで、欧州市場には大きなチャンスがあると考えるべきなのです。



欧州の「チャンス」を分析する

では、このチャンスについてもっと細かく見ていきましょう。


JNTO(2015年)のデータを元に筆者作成。人口は直近のデータを用いた

国別に見ていくと、各国の人口と訪日観光客数の比率には大きなばらつきがあります。
英国、スウェーデン、スイスなどは人口の0.4%以上が訪日していますが、欧州先進国最大の人口を誇るドイツからはわずか0.2%です。
ドイツ人だけが日本の観光資源に魅力を感じないという事実はないと思います。
実際、アジアにはよく訪れており、2014年にタイを訪れたドイツ人観光客は年間約72万人もいるのです(日本へは16万2580人)。

これは、日本が対ドイツ戦略を強化すべき時期を迎えているということを意味します。
ドイツ語対応を積極的に行い、ドイツからの観光客を迎え入れる意味は大きいと思います。

欧州全体の人口に占める訪日観光客の比率は0.21%。
1人当たりGDPが低く、人口が非常に多いロシアとポーランドを除けば0.31%とやや上がりますが、欧州全体の人口に占める欧州からの訪日潜在市場である1億1500万人の比率は約2%。
つまり、本来は欧州の人口の2%程度が日本を訪れるポテンシャルがあるのです。そのような意味では、日本が観光立国を目指していくうえで、欧州にはまだまだ多くの「宝の山」が眠っていると考えるべきではないでしょうか。

現在の訪日外国人観光客数は、全世界の国際観光客数の1.7%に過ぎません。これは、訪日潜在市場の5.1%にあたります。2020年の目標である訪日外国人観光客4000万人を達成するためには、今の世界の国際観光客の3.5%、訪日潜在市場の10.3%に来てもらう必要があります。つまり、日本が目標を達成するには、市場規模が成長しないなら、今の2倍にシェアを拡大していかなければいけないのです。

そのためには従来のやり方だけでは不十分だということは、容易に想像できるでしょう。
桜、すし、富士山、芸者、という古くからの「ジャパン」のイメージだけではなく、
    スキージャパン、ビーチジャパン、ウォークジャパン、食べるジャパンなど、これまでにはない多様性に富んだ観光資源を広くPRしていく必要があります。

そしてドイツのように、本来であればもっと日本に来ていてもおかしくない国をあぶりだし、自治体と民間がうまく連携しながら、観光PRやマーケティングを行う。

そのためには、これまでのように「桜、富士山、芸者」という紋切り型の情報発信ではなく、各国の文化や観光客の嗜好に合わせ、カスタマイズした施策が必要です。

そのような賢く、きめ細かいマーケティングを実施していけば、日本のポテンシャルを考えると、4000万人は2020年以前に軽々と実現できるはずです。


2016/05/15

「インバウンドで観光立国」には落とし穴が:星野佳路

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ) 2016年05月04日 引用編集

  今回は星野リゾートの星野佳路(よしはる)代表に伸び続ける訪日外国人需要に沸く日本の観光業界の現状と見通し、そして海外にも進出を果たした星野リゾートの成功の秘訣などについてお話を聞きました。(西山誠慈 編集長)

―記録的な訪日客数により、いわゆるインバウンド消費の恩恵を受けている国内観光業は安泰なのか

 インバウンドが増えたと言っても日本の観光消費額の10%にやっとなって、それが15%になろうかというところ。国の(インバウンド)目標を達成してもそれが20%を超えるかという程度。
つまり7割か8割は日本人による国内観光消費。そこが問題。2013年から14年にかけて象徴的な出来事があった。
インバウンドは1.7兆円から2.2兆円に伸びたが、20兆円近くあった国内市場が落ちて、トータルの旅行消費額は落ちた。

 しかし東京にいると実感がない。なぜか。
東京でのインバウンドは伸びている。しかし地方にはまだインバウンドは来ておらず、国内需要だけ。
だから地方にいると観光は全然成長していないではないかと感じる。一方で東京、大阪、京都の人たちはインバウンドで観光立国に近づいているのではないかと感じている。

 15年は国内需要も若干伸びて、インバウンドも伸びた。今後も両方伸びることはあるが、どんなにインバウンドが伸びても、もともとの分母が小さいので分母の大きい国内市場がちょっとくしゃみをするだけで、必死に伸ばしてきたインバウンドの分を吹き飛ばしてしまう。インバウンドと同じように国内需要にも目標を置いて、国内需要の維持をやっていかないといけない。

―日本は今後も人口が減少していくが、国内需要の縮小もその結果なのか

 国内需要が落ちているのは人口減少ではなく、今のところは参加率の低下による。特に20代の若者が1年に国内旅行をする回数が落ちている。参加率はこの10年で60%から50%に落ちた。今は半分の人しか年に1回以上観光旅行をしない。つまり半分の人は全くしない。

 だからシニア割引でなく、「若者割引」と言っている。JRも美術館などもシニア割引はあるが本当に割り引かなくてはいけないのは若者だ。
なぜなら若者はこれから結婚し、子どもが生まれ、家族旅行をしてくれて、旅行産業を何十年も維持してくれる。この人たちが「旅行って楽しい」と思い、旅行習慣を持ってくれないと市場は縮小してしまう。もうちょっと政府も「国内需要を維持します」「特に若者旅を増やします」という具体的な政策を出し、それにマスコミも注目し、「インバウンドは伸びたが、国内需要は対目標でどうだったのか」と質問してくれるとよいのだが。

―政府が関わることではないとの見方もあるが、業界の「若者割引」への反応はどうか

 業界の賛同はまだまだ。政府がお金を出して割り引くということではないが、政府が働きかけることはできると思う。例えば業界に投げかけたり、若者割引をする観光地を観光庁が積極的にPRしたりするなどサポートすることはできる。そういうところにもっとエネルギーやコストをかけて欲しい。

7月の開業に向けて建設中の​星のや東京 ENLARGE

 昨年の春、シールさえ貼れば小さなタトゥーは温泉でもOKにしますと言ったら、日本のお客様からたくさん電話が掛かってきた。怒ってらっしゃる人、これで娘と一緒に温泉に行けるという人、同業他社からは風穴を開けてくれたとの声もあった。すると観光庁が実態調査に乗り出して、ガイドラインを出してくれた。あれも民間側から解決しなくてはならない問題だと踏み切り、観光庁がガイドラインを出してくれて我々もやり易くなった。

 若者割引も業界全体の動きとなるとインパクトはある。3世代旅行でスポンサーは祖父母世代。そこを割り引く意味はないのではないか。割り引くなら長い間旅行をしてくれる若者だ。

―タトゥー用のシール導入のきっかけは

 ニュージーランドのロトルア市という温泉で有名な場所があるが、そこの市長が日本の温泉地に視察に来られた。ロトルア市の人口の3割はマオリ族で市長のご主人もマオリの人。夫婦で日本の温泉地に来たら温泉に入れなかったと言われたのを聞き、「これはまずいな」と思った。わざわざ飛行機に乗って日本に来て、まさか民族的なことで温泉に入れてもらえないなどとは知らない。何か解決策を考えないとこれからのインバウンド時代に良くないと感じた。

 また、現場に確認すると小さなデザインタトゥーをつけている日本の若い人が「小さいからいいだろう」と温泉に入っている。それを見た年配の方が「なぜ入っているのか」とホテルにクレームを出す。これは何か折り合いをつけないといけない。若者の旅行参加率が落ちている中で若者に一切入れませんよとも言えない。その二つがきっかけだった。

 入れ墨が反社会勢力の象徴だったことから温泉にはダメだとなった。それがすり替わって入れ墨がダメになってしまった。(星野リゾートの温泉旅館)「界」で試験導入してきたが、箱根ではシールを2枚渡している。1枚が8センチx10 センチだから80平方センチ。2枚で160平方センチになった。だから「160平方センチからの温泉文化変革」と呼んでいる。

―インバウンドに戻るが、現状はバブルなのか

 (現状のレベルからの)修正は必ず入る。インバウンドが増えているのは円安とテロを含めた地政学的な要因があり、増え方にゲタを履いている。そこの部分はなくなると思ったほうがいい。

 今はたまたま日本に色んな風が吹いて、恵まれている環境だ。これが永遠に続くと錯覚するのは危険。今こそ本当の実力を磨くことにお金やエネルギーを使わなくてはいけない。しかし日本の観光の歴史を見ると単にブームを作ってきた。例えば、「団体旅行」「修学旅行」「スキー旅行」「海外旅行」とブームで終わらせてしまった歴史がある。

 スキーが典型。当時あれだけ増えたのは学生が夜行バスに乗って行っていたから。(業界としては)「学生でお金ないからこの程度のサービスでいいだろう」という対応だった。その後、学生は社会人になり、結婚して子どもが生まれ、さあスキー場に行こうかと思ったが、子連れであんなきつい旅行はできないと。学生の時の経験がトラウマで残っている。

 今回も「インバウンド・ブーム」で終わらないか。今来ている海外の人たちが「日本にはまた来たい」と思って帰っているのか。(観光業界が)「安い中国の団体だからこの程度のサービスでいい」としていないか。そういうことが将来の本当の実力につながっていくと思う。

 具体的にはハードの投資が圧倒的に足りない。中国の人も世界中に行っているので日本の地方は見劣りする。
建物が古い、設備が古い
バブル時代のものをだましだまし使っている。今こそ地方で設備投資をしないといけない。それには収益。だから休日分散化。それによって稼げる日を増やす。収益が高まると設備投資に踏み切れる。そうすると日本の本当の実力が高まり、よい循環になる。

―休日分散化への反応はどうなのか

 休日分散化は2004年に言い出した。具体的には大型連休の地域別分散化だ。1週間ごとに日本を5ブロックに分けて交代で1週間休もうと。言い出したときの反応は悪かったが良くなってきている。自分のツイッターなどを見ているとゴールデンウィーク(GW)中に「早くやってくれ」との声が多い。まるで渋滞の中からツイートしているのではないかという印象だ。

―地域別にすると例えば遠方の祖父母らと一緒に旅行できないとの指摘もあるが

 GWまで祖父母と一緒に旅行する人がどの程度いるのか。土日を分散しようとしているのではない。正月は家族・親戚が集まり、お盆は宗教的な色彩があるが、導入するのはGWとシルバーウィークだけ。もともと無理やり連休を作って、休日を使ってレジャーに費やしてほしいと出来たもの。本来の趣旨からしても旅行やレジャーにあてて、混雑がないように分散するべきだ。

 九州の子どもたちはディズニーランドに行った比率が低いという結果がある。GWに行こうとしてもホテルは満室、園内の待ち時間は長い。そして値段が高いからだと。分散化を試験導入してもらえればメリットを享受して、その良さが分かるはずだ。フランスやドイツではすでにやっている。

―リニア中央新幹線計画にはあまり賛成されていないようだが

 海外の人に聞くと新幹線が遅いという人はいない。新幹線は正確で早いと驚く。不満は何かと聞くと、値段が高いと。リニアは不満のないスピードを早くして、不満のある価格を上げる。ニーズのヒアリングと逆行する政策を取っている。もう少しお金を払っても一層早くして欲しいというのが関西空港から大阪・京都へのアクセス。関空と大阪・京都にリニアを走らせるほうが、何十年も掛かって東海道にリニアを走らせるよりよほどいいと思う。

―星野リゾートは海外を含め30以上の施設を運営するまでになったが、成功の秘訣は何か

 親から継いだ時に将来の目標設定を大きくしたことが大きかった。留学していたのでクラスメートから見て「さすが」と思われる日本のホテル会社を作りたいと当初から目標設定をした。目標があることによって取るべきリスクと行ってはいけない事業が分かりやすくなる。


​2016年開業予定の​星​のやバリの運河プール

 父がやっていた旅館はかっこ悪いと思っていた。酔っ払いがいっぱいいるし、部屋はハワイのホテルの方がかっこいいし。アメリカに行く段階では継いだら早く潰そうと思っていた。ところが向こうで大学に2年間行き、日系ホテルで3年間働いた結果、やはり西洋のホテルを日本で作っても、結局は真似事に見えると思った。もう一度日本のホテル会社が世界を目指していく時に、真似事ではないと思われる形で行かないと勝てない。

 コーネル大にいる間によくあったが、例えば日本人がフォーマルな式典にスーツを着ることさえ、同級生は「日本は1000年の文化があるのになぜイギリス人の制服を着ているのか」と指摘する。それは日本に対する期待。つまり、日本の会社が運営するホテルというだけで彼らが期待することがある。エギゾチックなんじゃないか。おもてなしというすごい世界があるのではないかと。だから日本に帰って、すごくかっこ悪いものをすごくかっこよくする以外に先はないと思った。だから「星のや」(旅館)になった。軽井沢は西洋のホテルの町だが、どうしても日本的でないと先がないと。それで「星のや」のようなかたちになった。和を中心にしていこうというのが発想だった。

―コーネル大の同級生は今も同業に多いだろうが、彼らとの関係は

 同級生だけにはバカにされない日本の宿をと思って作ってきたので自信はある。いつも何か企画していて最後に思うのは、「あいつらが見てどう思うか」。バカにだけはされたくない。その気持ちがずっと強かった。


インタビューを終えて

 星野リゾートの成長に加え、日本の観光業に対する提言でも注目されてきた星野氏だが、その原動力は大学時代を含めた米国での経験だと感じた。同じく海外で暮らしたことがある者として共感できるのが、海外に行って初めて日本の良さに気付くこと。日本のホテル会社が海外で通用するためにはまず継いだ「すごくかっこ悪い」日本旅館を「すごくかっこよくする以外に先はないと思った」という言葉はその象徴に感じられた。


星野佳路

1960年、長野県軽井沢町生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、米国コーネル大学ホテル経営大学院で修士課程修了。1991年、星野温泉(現在の星野リゾート)社長に就任。所有と運営を一体とする日本の観光産業で運営特化戦略をとり、経営難に陥った施設の再建で注目される一方、星野温泉旅館を改築し、2005年「星のや軽井沢」を開業。現在運営する施設は国内外35カ所に及び、今年「星のや東京」「星のやバリ」の開業を予定。

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西山誠慈

2011年よりWSJ東京支局にて経済政策報道の編集責任者を務め、アベノミクス発表当初から日本銀行による大胆な金融緩和政策などについて報道を行ってきた。2014年には、プロを目指す高校球児を1年にわたって取材した長編記事を執筆。2014年12月より現職。WSJ入社以前は18年間ロイター通信社にて金融市場、経済政策、政治、外交など幅広い分野を担当。1993年早稲田大学政治経済学部卒業。ニューヨーク出身。

2016/05/14

民泊の全面解禁は、消費拡大に効果。星野 佳路(よしはる)

2016/05/14 nk、引用編集

 民家などに有料で旅行客を泊める「民泊」について、政府が全面解禁する方針を固めた。民家などの所有者が簡単な手続きをするだけで、営業できるよう法整備を急ぐ。


 ――民泊の普及が国内でも進みそうです。

 「IT(情報技術)革命が旅の世界に入ってきた。
別荘やマンションの空室などの遊休資産を、インターネットを通じて使いたい人と結びつけられる。
宿泊客の受け皿が足りない首都圏のほか、遊休不動産が多い地方都市や、一定数の観光客が訪れる離島などでも民泊の需要が見込まれる」

 ――軽井沢町が町内の民泊営業を禁止する方針を示すなど、反発もあります。

 「騒音などの問題が指摘されるが、民泊の登場でユーザーが宿を評価する時代から、宿側が宿泊客を評価できる時代になった。民泊の場合、マナーの悪い宿泊者はいずれ淘汰される

 「規制緩和が進み民泊の営業ができる場所がさらに広がれば、不動産市場では民泊の営業で収入が得られる別荘の資産価値が上がるだろう。こうした別荘の固定資産税の上昇で、地域も潤う」

 「所有者が使わない期間に宿泊者を受け入れれば、スーパーや飲食店、レンタカーなど周辺の消費拡大も期待できる。デメリットより経済効果による利点の方が大きい」

 ――既存の宿泊施設は脅威を感じますか。

 「民泊はこれまで旅館やホテルが捉えられなかった消費者ニーズに応えるものだ。既存の施設を脅かすからといって民泊の広がりを拒めば、日本の観光産業全体の競争力低下につながりかねない。新たなサービスの登場を前提に、進化する方法を探るべきだ」

 ――民泊との違いをどう打ち出しますか。

 「素人が提供するサービスに、プロが負けるとは思わない。星野リゾートは滞在中の体験を充実させているほか、ホテルや旅館への不満や要望も分析している。ただ、民泊の規制を緩和するなら、サービスの質で戦う旅館やホテルも規制から自由にしてほしい」

 ――具体的にはどのような規制ですか。

 「国内で外国人客から報酬を得て観光案内をする場合、通訳案内士の資格を持っていないと違法になる。ホテルのコンシェルジュが客に旅程を提案する場合、有料で仕事を受けるには旅行業法上の許可が必要だ」

 「宿泊施設の立地は都市計画法で定める住居専用地域以外に限定される。別荘や個人の住宅などで営業できる民泊と比べ不利だ。既存の宿泊施設に関する規制の見直しを、民泊の規制緩和と両輪で進めてほしい」

2016/05/11

tax haven :租税回避地。 <時事英語

tax havenとは、「租税回避地」のこと。

haven:ヘイブン。「港」(harbor)のこと。”have”と同根。【発音

The Panama Papers が、公開されました。
下は日本関係、772箇所。 問題は格差の拡大です。
Offshore Leaks     Database Addresses for Japann: 772


Panama Papers: Tax Haven or Hell? 【+3】

tax haven zone  【地図】


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時事英語



桑原政則のコラム  
桑原政則のフェイスブック履歴 








外国語辞典


全言語辞世界語辞書WS 

2016/05/10

5月10日、1863年。長州藩が下関海峡で英仏蘭の軍艦を砲撃

5月10日、1863年。長州藩が下関海峡で英仏蘭の軍艦を砲撃。下関事件

1863年、長州藩が下関で英仏の外国船を砲撃しました。
また薩摩も英国船艦隊5隻を薩摩湾で砲撃しました。

長州も薩摩も、敗北しました。

しかし、この敗北で、西欧の優位を知り、鎖国をやめ、開国の道を進むことになり、それ以降の政治の実権を握ることになります。

「下関戦争と薩英戦争」倉山満 かしわもち 【20+】


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この日のできごと



2016/05/05

FinTech(フィンテック)。

2016/05/04

2016/05/02

2) ポスト・イットの大型白板


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ポスト・イットの大型白板は、黒板、プロジェクターをつかわない白板です。
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